(他所で書いたものの転載、一部加筆しています)
部活の合宿引率が終わり、やっと夏休みに入りました。
今年は息子が受験で物入りのため、あまり遠出はせず春同様に18きっぷで日帰り中心の旅行をしようと思います。普通列車(快速等含む)のみ5日分、まず初日は山陽本線を西へ向かいます。
前日まで岡山から津山方面に行くか、瀬戸大橋を渡って高松から船で帰ってくるか、あるいは岡山市内、主に後楽園を見学するかと考えていたのですが、早朝の電車に乗って岡山県の観光サイトを見ていると、
「犬島」の情報は「岡山観光WEB」で。見つけてしまった、良さげな場所、犬島。
有名な直島、豊島と同様にベネッセの美術館、それも産業遺産を利用したものがあるとのこと。
犬島|島々のいまを知る|島×アートの魅力 | ベネッセアートサイト直島冬を除く土日の開館日だけは、JR赤穂線の西大寺駅から臨時バスが出て、犬島への船便に接続するそうです。1日1往復だけですが、大阪早朝発の快速で発てばうまく間に合います。
播州赤穂駅で赤穂線に乗り換え。

いま赤穂線は国鉄型115系の天下みたいですね。

はだか祭りで有名な西大寺に到着。
しかしバス乗り場がわからず、駅舎を背に左側から駅前ロータリーを1周。

何のことはない、駅を出て右側にあったのでした。見つけられなかったのは、停留所の標識が駅舎出口からの視線と並行になっていたからでした。標識の角度を考えて欲しい(というか普通ならバスは駅正面に着けるでしょうに)と思いました。

ほどなく、屋根の上が大きな一風変わったバスが来ました。
両備バスの「レジャーバスポット」
子どもたちが降りたくなくなるバス「レジャーバスポット」誕生 | 両備グループ 公式サイト - Ryobi Group -
整理券の横にビンゴカード

後輪上の座席の代わりに絵本

もう一方には犬のぬいぐるみと、ダミーの「いくら押してもいい降車ボタン」

この椅子の形だと水戸岡氏デザインなんでしょうね。
あと、写真撮れてないんですけど、ガチャガチャもありました。
運賃は510円。交通系ICカードが使えます。
降りて港の方に5分くらい歩きます。

犬島行きの船乗り場です。

いわゆる高速船タイプですね。運賃400円。

快晴で揺れはまったくありません。

犬島が見えてきました。(と思ったら実は右側は別の島「犬ノ島」でした)

落書き風ですが、歓迎されているのですよね?

桟橋から島に入ると、

水道記念碑、高い山のない小さな島ですから、水には苦労したのでしょうね。

美術館(精錬所跡も含む?)や古民家プロジェクトの見学にはチケット(2100円)が必要です。
10月からは予約制になる(当日売りもあるが2300円)みたいです。

これがチケットセンター。

この道を進んでいくと、製錬所跡の美術館になります。
が、私は集落への道の方へ進みました。他の島と違うのは、鉄筋コンクリートに建て替えられた建物が少ないことですね。古民家を保存する方向なのでしょうね。

「家プロジェクト F邸」解説員さんによると、ビッグバンからの生命誕生を表しているということでした。確かにDNAみたいですね。両脇に小部屋があり、

左側、

右側です。左が動物、右が植物を表しているのでしょうね。

この古民家(改装されている)の外観です。

東海岸の製錬所の方に向かいます。

煙突が見えてきました。

入り口は廃墟感たっぷりです。

黒いカラミ(鉱滓)レンガの壁、あまりにキレイなので昔のものを積み直しているのだと思いましたが、製錬所の遺構そのままなのだそうです。操業期間がわずか10年と短く、痛みがなかったのも関係しているのではないかとお聞きしました。

この遺構が一種の芸術ですよね。
ここで「犬島精錬所美術館」に入館。撮影禁止かつネタバレしないほうがおもしろいので、内容については書かないでおきます。
※ここは「製錬所跡」なんですけど、「精錬所美術館」なんですよね。最近の化学では区別をしていますが、昔は曖昧だったので「犬島精錬所」だったようです。
11:40頃に入館したんですが、製錬所跡の解説ツアーがちょうど11:40発だったので、そっちを先にしたほうがよかったのかもしれません。島の見学を終えて時間があれば、次の14:40発に参加します(しました)。
別に個人でも見学は可能なので、見学コースに入ります。

美術館の出口(解説ツアーの集合場所)

切り出した跡が残る石材の階段を登っていきます。

半ば崩れている煙突。(後の解説で、落雷があったとお聞きしました)

崩れたところから芽を出す植物

で、残った側は後ろに反り返っているという...
もういつ崩れてもおかしくない長崎の軍艦島のような状態です。

後の解説によると、右手前は溶鉱炉で、奥は資材置き場ではないかとのこと。操業停止が1916年なので、詳しいことを知っている方がもうおらず、わからないことが多いそうです。

「犬島精錬所美術館」の方を振り返ります。見学ルートには見学や写真撮影に邪魔にならない低い柵が張られています。

カラミレンガの小部屋と、蔦に覆われた煙突。
これも後の解説によると、島のおばあちゃんたちの遊び場だったとのことです。

足元は鉄分を多く含んだカラミ(鉱滓)ですね。炭鉱で言う「ボタ山」みたいなもののようです。
自然の山の間を鉱滓で埋めたのかもしれないですね。

後の解説ツアーはここまででした。行きたい人は山道を歩いて進むことができます。雨天だとキツイかもしれない。

森の中を歩いていくと、

壁だけが残った大きな遺構がありました。
これも後の解説によると、発電所跡なのだそうです。

海に面しており、見学していて気持ちがいいです。

森の中を歩いて、島の南海岸へ。
ここまでが美術館の敷地のようです。

島の南側にはベネッセが来るよりも先に、芸大の学生が作成した彫刻群が並んでいます。(ベネッセのページには紹介なし)これは名古屋芸術大学の学生による「犬島に生きる石」
犬島に並ぶ石の彫刻ホームページ
腐食した金属片が落ちていたので、金属部があったのかと思いましたが、そうではないようです。
元々彫刻は砂浜にあったようなので、護岸上に移すときの道具でしょうか?

近くで見るとこんな感じです。

築堤が曲線状に伸びていて、 この作品と一体なのかと思ったらそうではないようです。

西側に伸びる砂浜を進んでいきます。

これは愛知県立芸術大学の学生の作品。

これは大阪芸術大学の学生の作品

イノシシはいるようです。山に入る時は注意ですね。

京都市芸術大学の学生の作品

これは芸術作品とかではなく、カヤックですね。
海は穏やかなので楽しいでしょうね。

途中で道がなくなり、本当に浜辺を歩いていくことになります。

角張った石は自然の侵食によるものとは思えず、石切場かそこで出た不要な石を捨てたのでしょうね。

通過して後ろを振り返るとこんな感じです。

「 INUJIMAアートランデブー」の作品、「光と内省のフラワーベンチ」

このアングルで紹介されているのは見たことあります。(確かJR西のパンフレット)
犬島とは知らんかった。

ここから先は現役の石切場のようです。もちろん立ち入り禁止。
他の瀬戸内海の島々と同様、犬島はもともと花崗岩の島で、特にキメが細かく「犬島みかげ」として広く利用されてきたそうです。

海沿いに進むことはできないので、半島部の付け根を横断します。
日差しが強く、景色も沖縄の離島のようです。

分岐路にきました。左からやってきて、右の方へ進みます。

看板も何もない、「犬島 くらしの植物園」
ベネッセのプロジェクトの一つですが、無料。募金箱があります。

庭好きな人なら絶対気にいる場所だと思います!

温室内に募金箱、来訪者ノート、飲み物の販売があります。
麦茶150円で、島内では一番安いかもしれない。


募金の代わりに、草引き等の「作業を手伝う」というのもありみたいですが、教えてもらわないと花を抜きそうです...

ベネッセとは別の企画による「犬島の島犬」
犬島ハウスプロジェクト犬島自然の家を通過し、北に出ると、

天満宮がありました。ここから東へ港の方に戻りながら見学です。

何だかわからない金属のシャチホコです。銘板には「GRAND COBRA SHACHIHOKO」と記されています。

犬島「家プロジェクト」I邸 庭から見ていきます

室内の作品 ネタバレになるので解説はしないでおきます。

お隣のUkicafeで昼食。

古民家を改装した店内(犬島の飲食店は、ほぼこのスタイル)

バジルとプチトマトを添えたボンゴレ(少し食べてから撮影)1300円

その北側の堤防上のアート作品「sprouting 01」
犬島「家プロジェクト」C邸、撮影禁止(見て記憶に留めてほしいという作者の意向だそうです)のため画像なし。

中の谷東屋 行ったら必ず椅子に座ってくださいね 何が起こるかはお楽しみ

犬島「家プロジェクト」A邸 中に入れるので、ここも中央の椅子に座ること

犬島「家プロジェクト」S邸 「コンタクトレンズ/2013」

このあたりがちょうど製錬所跡の裏側になります。手前の池は採石場跡だそうです。

14:40の解説ツアーに参加しようと、地図にある道を進んだら閉鎖されてました。道理で草が茂っていたわけだ。

F邸の下を通過して、製錬所跡に戻ってきました。
解説付きのツアーに参加します。参加者は私とカップルの計3名。

「犬島精錬所美術館」屋上からの眺め。

実はこの美術館、環境に優しくということでエアコンがありません。
しかし展示室が温度変化の少ない地下〜半地下にあり、左の温室部の暖気を上昇させて煙突で吸い上げる気流の流れを作ることで、夏でも比較的涼しい室温を保っています。鍾乳洞や観光鉱山のように「涼しい」どころか「長袖でないと寒い」ほどではありませんけどね。
また施設内の排水は右の細長い池に蓄えられたのちに植物に灌水され、入場客が増えるほどに植物が育つしくみになっているそうです。

15時ごろ、東向きの発電所が逆光になりました。

近くに生えていた樹木の実、何でしょうね?
(後で調べたら、ヤシャブシかハンノキみたいです。荒地に生える樹ですね。)

今度は、まっすぐチケットセンターの方に戻ります。あれは何の作品かなと行ってみると、

ただの椅子でした。(プラ製)

灯台がいい感じです。

宝伝港への帰りの船。

犬島港を発ちます。
運賃は下船時に支払い、また5分ほど歩いてバス停へ。(港そばのバス停は停止中のようです)

帰りは普通のバスでした。

西大寺駅で帰りの播州赤穂行きを待っていると、先行する長船行きは国鉄色115系、内部もボックスシートでした。懐かしいので、2駅だけ乗車。
犬島、良かったですよ。産業遺産好きには特にオススメです。土日の早朝に発てば大阪からも十分日帰り可能です。自動車なら宝伝港に駐車場があるようです。
ただ島内ではほぼ屋外を歩くことになるので、 夏は暑いこと、雨天・荒天だと行動が制限されることはご承知ください。冬は美術館(製錬所跡含む)は閉館です。
今回は、天候は快晴に恵まれましたが汗だくになったので、着替えを持っていけばよかったなと思いました。
飲料水の自販機は、港、ビーチ、犬島自然の家にあったと思います。また、チケットセンター、美術館出口、くらしの植物園でも水や麦茶の販売があります。夏に行かれる方は熱中症にならないよう、お気をつけください。海辺なので街中より暑さはマシな感じです。