
燕三条駅前でレンタカーを借りて、新潟空港で返却予定。新幹線の1駅分、結構距離があるので、こういうときは県内乗り捨て無料の大手2社、つまりT社か、N社になる。今回はT社の方だ。
まずは新潟交通の旧月潟駅へ。燕駅乗り入れが廃止された後の終着駅だった。燕三条からさほど遠くなく、廃線跡にはいまだ架線柱が残っている区間もあるようだ。途中に大きな町がなく、一歩先に廃止された理由も何となくわかる。
一方月潟駅付近はある程度規模のある集落となっている。月潟図書館をカーナビにセット。そこからはこちらの道案内で。
かぼちゃ電車保存会

レンタカーを駐めたところにも、イベント用なのかレールが敷かれていた。元は駅構内であったのだろう。

昔にローカル私鉄巡りをしていた私にとっては懐かしい電車だ。これが新潟市内まで20km余りをトコトコと走っていた。

この日は車内が公開されていて、入ることもできた。

これは電動貨車。モワ51。

ラッセル車。雪深い新潟だからか、本格的な除雪車だ。

月潟駅の出札窓口。
旧月潟駅周辺公園として整備され、定期的に公開されているので整備状態は非常に良い。「かぼちゃ電車保存会」の皆様に感謝したい。
次は、新潟市周辺のもう一つのローカル私鉄、蒲原鉄道の廃線跡と保存車を巡る。
新潟交通電車線の燕側もそうなんだが、蒲原鉄道の廃線跡も周辺が主に農地であるため、道路の拡幅に使われる他は、建物が建てられたり、改修されて地割が変わることが少なく、地図から容易に廃線跡を推定できる。加茂駅北西側から信越本線を越えて短いトンネルをくぐり、現在の車道に沿って川の対岸を走っていたらしい。自転車やバイクだったら、遺構をみつけることもできるだろう。
冬鳥越スキーガーデンに向けて左折すると、鉄道沿いとは思えない坂道で、結構な急勾配であったことがわかる。
冬鳥越スキーガーデン、夏の間はキャンプ場のようだ。綺麗に整備されており、ちょうど芝刈り作業中であった。

保存車が3両並んでいる。ここがちょうど廃線跡なのだろう。

極めて珍しい、木造の電車。車体以外は復元らしいけど。

何と、車内に入れるんだな...

もちろんもう1両の電車の方にも入れる。こちらは半鋼製車。Wikipediaによると両車とも文化財に指定されているらしい。

村松駅跡から移転してきた電気機関車。雪国の鉄道には除雪用の機関車が在籍している場合が多い。
蒲原鉄道は、この先の峠をトンネルで越えて、村松の方に下っていた。いまでも農道として残っている部分が多いようだ。やがて車道と廃線跡が重なるようになり、村松郷土資料館に到着。
駐車場に駐めて、まず資料館を見学。2階に蒲原鉄道の資料が展示されており、歴史を知ることができる。
五泉市村松郷土資料館
次に資料館北側の保存車へ。

こちらは車内には入れない。屋根付きだが、まめな整備は行われていない模様。

この後、村松市街地内は道が狭くて廃線跡を追いにくくなる。
村松バスターミナル(旧村松駅)から五泉駅は蒲原鉄道が道路沿いを走っており、運転しながらでも昔の線路を偲ぶことができた。
五泉市街を通過して、五泉市総合会館へ。
駐車場の入口に、蒲原鉄道モハ41が保存されている。


ここも中には入れない。
私が蒲原鉄道に乗ったときも、このような全面2枚窓の車両だったと思う。車長が短いモハ31だったかもしれない。五泉駅への帰りは、国鉄キハ04の成れの果て、クハ10だった。幼稚園バスのような異常に狭いクロスシートだったのを覚えている。
蒲原鉄道の名残はここまで。次は新津鉄道資料館へ。

元々、国鉄の研修施設「新潟鉄道学園」だったそうだが、現在は同資料館と地域の公民館的施設になっているようだ。

昔懐かしい切符の自販機。

鉄道系施設にはおなじみの鉄道模型。

上野〜新潟を結んでいた、特急「とき」のエンブレムとトレインマーク。

その「とき」に使われた車両の車番。

大正時代から、国鉄最後の定期SL運転まで務めた9600型の前照灯と煙室扉。

2両しか製造されなかったDD20の車番。

蒲原鉄道や新潟交通の資料もある。

建物裏には廃止された国鉄赤谷線の駅名標や鉄道施設等の展示。あまりここまで見に来る人はいない。


入口横のC57と新幹線200系。
他の保存車は奥の方にある。

北陸本線や羽越本線を走った485系特急電車。

DD14ロータリー式除雪ディーゼル機関車。

DD13という古い入換用機関車がベースなのだが、稼働が少ないことと、後釜のDD53が強力(投雪で民家の窓ガラスを破損)すぎて使いにくかったらしく、まだJRに1両残っているらしい。

いよいよ数を減らしてきた、国鉄型115系電車。

新幹線E4系MAX。昨日新潟駅でも見かけた。その後引退済み。
見学を終えて、次は新潟県立自然科学館へ。磐越道で市街地を避けることができたので、短時間で到着。
さすがに夏休みで企画展もあり、駐車場は奥に行かないと空いてなかった。館内は撮影禁止で写真なし。
裏には屋外展示があり、


こちらは9600型蒸気機関車がまるまる1台保存されている。

日本の鉄道初期の頃か、2軸の木造客車。

南極探検用の車両ではなかったかと思う。
このあと道の駅「にいがたふるさと村」で買い物、昼食。

観光地らしいところには行っていないのだが、予定メニューは終了。いつも父子旅はこんなもんだ。
昨日、空港から新潟駅までのバスから廃線跡が見えたので、空港へ行くついてに寄ってみる。

ここはまだ現役の貨物駅らしい。


もう少し先の工場まで線路が伸びている。
工場群を大回りして、空港バスの走る大通りあたりまで行くと、線路は残るもののすでに廃線となっているようだった。
海の近くまで行くと、線路が新しい湾口のトンネル道路のところで途切れていた。
給油して少し早めだがレンタカーを返却。新潟空港の展望デッキで過ごす。有料(100円)なのに、酔狂なマニアしか来ないのでは?と思ったら意外に人が多かった。みなさん結構飛行機好きなのね。

JALはエンブラエル170、ANAはB737とQ400がやってくる。

1本前の伊丹便。

ANA便。

陽が傾いた西の空へ飛んで行った。

西の空に見えた「幻日」。この日は晴れたり、時々にわか雨が降ったりと、安定しない天気だった。