12月26日(木)朝食は付けていないので、近くの店へ朝食を買いに行きます。GoogleMapで目星をつけておいたのは、ホテルの1つ北の通りを西に行ったところにある「林爺美味小篭包」。おじいちゃんが一人でやっていて、知らないと絶対見落としそうな(すぐ前を通らないと、遠目に店があるようには見えない)小さな小さな包子屋さんです。
5個で30元、1篭(10個)で60元との表記。実際にはせいろに一杯詰まっていて、個数でやっているようでした。
少し多いかなと思いながらも、2篭(20個)頼みます。来る前はその場で食べられる店舗かと思ってたら、どうみてもテイクアウト専門。聞いてみてもやはりそうだとのことで、20個を袋に入れて宿に持ち帰り。何か掛けようかという素振りに、辛いのかもしれないので「辣醤不要(ラージャンプーヤオ)」と告げると、入れないでくれました。やはり辣醤(唐辛子味噌)だったようです。

ホテルに帰って食べてみると、皮が薄くシュウマイに近い感じです。テイクアウトなので残念ながら湯包子ではありません。でも、あっさりしていくらでも食べられそう。一口食べてうまいというより、止まらない感じです。朝食はいつも少なめの子どもがあっさり10個を平らげてしまいました。
ホテルをチェックアウトし、駅へと向かう途中の交差点の屋台で、まだ朝食を摂っていない家内がトウモロコシの入った粥を購入。MRTは飲食禁止のため、「台北車站」で台鉄に乗り換え、地上区間に出たあたりで席が空いてきたので着席して朝食です。でも辛いとのこと。どうやら入っている搾菜が辛いようです。私は搾菜が好きなので、それだけ頂きました。
瑞芳で乗り換え。ここで大きな荷物を預けるのですが、駅前に見当たらず。駅員さんに聞くと、通行証を渡され、反対側に行けとのこと。裏口側に出てしまったみたいです。
表側の改札を出て、観光案内所で聞くと、駅舎を出て右とのこと。荷物預かり所があり、1個30元。営業は20時までなので、念を押されます。
平渓線のディーゼルカーに乗り、十份へ。列車はゆっくりと進んでいきます。
十份駅到着。

構内踏切で線路を渡りますが、

列車が通るので通らないように!
でもなぜ人が溜まるのかというと、

EasyCardの機械にタッチして出場記録を入れるために並んでいるんですね。

無事列車が出て行きました。

列車が行ってしまうと、線路は違法パブリックスペース。

十份名物のランタンが上がります。

わかりにくいかもしれませんが、奥でランタンが商店の軒に激突。

何とか持ち直して上がったみたいです。

私たちも上げてみました。これは私の「願い」

そして子どもの願い。ストレートですね。この辺の家のベランダは、ランタンが入り込まないよう、金網や針金が張ってあります。

火をつけてもらい、それを持って記念撮影中にランタン本体に火が燃え移りそうになりましたが、店のお兄ちゃんがランタンをくるくる回し、着火を防いでました。そして無事上昇しました。
線路上で燃えてしまったランタンや、風に揺られたため本体が燃えだし、すぐに落ちてしまったランタンも見かけました。
さて、十份老街を抜けて、線路の左側を進むと、台湾煤鉱(炭鉱)博物館(正式名称は「新平渓煤鉱博物館」)の施設と駐車場が見えてきたのですが...閉まってる。土日は送迎か、山を登ったところまで行くとトロッコがあり、それに乗って行くとネットには書かれてました。平日はお客さんが少ないので、連絡して迎えに来てもらうとも。
何とか電話(国際電話になるので掛け方が難しい!)を掛け、英語で話してみると、タクシーで来てくださいとのこと。
近くにいた運転手さんが100元で行く(交渉制だが相場より安い良心的料金)とのことなので、乗せてもらいます。
到着してポケトークで「帰りはどうしますか」と聞かれましたが、ゆっくり見たいのと、トロッコに乗って戻るかもしれないので、「ここで呼んでもらいます」と返事。

入館料一人200元。話していることがわからず、またポケトーク登場。「トイレは向かいの建物にあります」そうか、中にはないんですね。
他にお客さんがおらず、店舗担当のお兄さんが付いてガイドしてくれます。
まず、ヘルメット着用。白・黄・青と三色あるのですが、職種が違うそうです。そして模擬坑道に。ここの内容はネタバレになるのであえて触れないでおきましょう。
次に、実際の坑口へ。

少し入ると柵があり、奥には入れませんが、ずっと先の方まで続いています。※炭鉱は安全のため内部に一般人を入れるところはほとんどありません。夕張炭鉱は「史蹟夕張鉱」として少し入れたのですが、火災が起こってしまい現在はダメになっていると思います。

炭鉱マンが使った備品類(これはヘッドランプの蓄電池)が置かれています。

炭鉱で使用された電気機関車「獨眼小僧(一つ目小僧)」の解説。

これが実物のようです。

おばあさん運転のトロッコに乗せてもらいます。いまは架線がないので蓄電池機関車で押されて行きます。


十分老街の上方にある石炭を運んでいたらしい場所まで来ました。

ここで石炭を載せていた「炭車」をひっくり返し、下に落としていたようです。

下へ降りる山道は封鎖になっているらしく、トロッコに乗って博物館に帰ります。ガイドしてくれるお兄さんと、おばあさんが話しているのですが、おばあさんの言葉は台湾語(中国語だけど発音がぜんぜん違うらしい)なのか、まったく聞き取れませんでした。

機関車と客車は鎖でつながっているだけです。

線路も細くクネクネしてます。

お土産を買った後、広場の端に手漕ぎトロッコをみつけました。

コツをつかむと結構楽しいです。
帰りはタクシーを呼んでもらって、十份瀑布まで送ってもらいます。150元。(これが相場です。行きは特に安かった。)

渡る客が多く、横揺れする吊り橋。

上の展望台からの眺め。

正面の展望台からの眺め。通路は狭く一方通行なので逆回り不可。

駅までの帰り道に、昔の石炭のホッパー跡が見えました。(ここを上がると、トロッコで来たあたりになるようですが、自然災害で道が崩れている旨のハイカー向け掲示がありました。)

十份老街を列車が徐行していきます。

老街の店で牛肉麺をいただきました。が、私でもちょい辛くらいなので、家内と子どもはひいひい言ってました。結構辛いものなんですね。

午後になり旅行客も増え、次々とランタンが上がっていきます...が、民家の軒先に落ちて行くものも見かけました。大丈夫かな?(実際、火災は時々起こっているようです)

平渓線で瑞芳に戻ります。
瑞芳駅で預けた荷物を受け取り、九份行きのバスが出るターミナル(実際に行ってみるとバス停レベル)へ。
来たバスに乗るとき「到九份嗎(タオ、ジョウ【低く→】フェン【下げる↓】マ)?」と確認して乗車。
乗客が座る前に発進、九十九折のカーブは運転技術の見せ所。29年前には普通の光景で、台湾らしいバスでした。家内はバスに酔いやすいのですが、予想通り「怖すぎて酔っている余裕がない」ようです。昔の中国のバス(飛ばすからというより整備不良が怖い)もそうだったな。
が、このバスは急行バスだったようで、宿に最寄りの「九份派出所」には停まってくれませんでした。九份バス停から車道を歩いて戻らざるを得ないのですが、運悪く雨がぱらついてきました。
小雨に降られながら何とか車道を戻り、宿のサイトに写真が載っていた鳥居状の門を入り、階段を結構降りて、やっと今夜の宿「陽光味宿」に到着です。
「陽光味宿」は民宿なのですが、設備的にはホテル並み。日本のTV番組でも確か紹介されていました。フロントでポケトーク利用で近隣の店の営業時間等の説明を受け、荷物を置いて街へ向かいます。階段を上がって行くのがちょっとしんどい。但し、九份は階段の街なので、階段の上り下りが嫌な人には、そもそも向かない場所のように思います。

一番有名な階段道、豎崎路。夜は確かに綺麗ですが、平日でも人でいっぱいです。傘をさせる状態ではないので、100円均一のレインコートとポンチョを被っていきました。(雨具は現地でも調達可能)


古い映画館「昇平戯院」 ランドマーク的存在です。ここで記念写真を撮る団体さんが多いです。

千と千尋の神隠しのモデルになったとも言われる
(スタジオジブリも公式に否定するガセネタです。でも周辺にはジブリ(パチもん)がいっぱい。)茶館があります。それより混んでいてここから抜け出したい。

階段を上まで登りきったところの店で、芋圓(いも団子)入り汁粉をいただきます。

日本の汁粉より薄味ですが、おいしかったです。
豎崎路は上下する階段路ですが、次はそれと交差する水平路の商店街「基山街」を北東側に歩いて行きます。でも19時を過ぎていて、そろそろ店は閉店する時間でした。狭い石畳の道なんですが、小型のゴミ収集車も入って来ます。
基山街の端(バスで着いた「九份」バス停付近)まで歩き、帰り道は一つ下の水平路「軽便路」で戻りました。名の通り、昔の軽便鉄道の跡らしいですが、こちらは宿やバーの類はあるものの、繁華街ではなく、車にだけ気をつけておけば普通に歩けます。
再び、豎崎路の階段を降りて「九份派出所」バス停のところで車道を渡り、さらに下に降りて宿に戻ります。
部屋のベランダからの夜景。

部屋はいろんなタイプがあるのですが、バス付きの部屋を予約しておきました。部屋から完全にガラス張りのバスルーム(トイレも)を通して、外の景色が見えます。寝巻きとスリッパは無いとのことでしたが、靴を脱いで上がる構造(エキストラベッドも床に直接マットレスを置いてました)のため、スリッパは不要でした。