中国の観光地を調べていて思うのですが、中国人って「湖好き」ですよね。
日本人にとってはただのダム湖にしか思えないところでも、結構観光開発されています。
湖に小舟を浮かべて舟遊び、というのが中国人の原風景なんでしょうね。
その原風景をリアルに見せてくれるのが、杭州市街地西側に隣接した西湖じゃないかと思ってました。実は世界文化遺産でもあります。
日本人にとっては強い思い入れのある場所ではないものの、行って「イマイチだった」という話も聞きません。(割と良かった、くらいが多い)今回は上海だけではつまらないし、烏鎮で2日はもてあますし、じゃ杭州行って中国人の求める風景とは如何なるものか見てみるか、という考えで行程に入れることにしました。
烏鎮から直接空港に入ったのは、宿を空港にとったから。翌日の香港行きが朝イチの便なので、市内から地下鉄だと2時間前に間に合わないんですよ。

ハイアットプレイス杭州蕭山国際空港です。息子が飛行機好きなもので、エアポートビューの部屋にしました。
ただ烏鎮からのバスが国内線ターミナル出発階に到着、ここからホテルのある国際線のターミナル4まで迷いに迷って(書かれている案内を読むと迷う、読まない方が良い)到着しました。スマホ決済もそうですが、初見殺しの多い中国です。香港もそれに近いですが、あっちはカネさえ払えば解決することが多いように思います。
早めにチェックインできたので、荷物を置いて地下鉄を乗り継ぎ鳳起路駅へ。
駅近くのフードコートで昼食に点心


水晶エビ餃子、蜜汁チャーシュー包、牛肉蒸飯
そして西湖へ。結構な人の波、混んでたらいやだなあ。
一番懸念していた湖内の島である小瀛州 (三潭印月)に行く遊覧船は、少年宮前の乗り場から立ち席ですがあっさり乗れました。大人70元、学生(18歳まで)は50元だったかな?

写っているのと同型の船で出発!ところが...

女性2人の乗った手漕ぎボートが立ちはだかるように目の前に...
いままでボートに乗ったことがないのか、操船にはかなり苦労して、

やっと航路を空けてくれました。いや、日本レベルなら絶対に桟橋の前はボート禁止ですが、中国は規制もしないし、それに対して怒る人もいません。大らかなんですね。
よくマナーがどうのとか言われますが、平均で見るとそれほどでもなく(今でも気になるのはタバコくらい) 、いろんな人がいる「標準偏差の大きな国」という印象です。そして寛容ですね。

船内では解説が流れているのですが、もちろん中国語でわかりません。私の中国語は「旅行ができる」レベルなので。

観光船、チャーターの船頭がいる手漕ぎ船、レンタル電動船、池にもありそうな手漕ぎボート、
あまり規制がなく好きなように舟遊びを楽しんでます。

遠くに見える市街地のビル群。

こういうデザインの船は、いかにも中華文化圏っていう感じですね。日本だったら海賊船にするかな。

小瀛州 (三潭印月)に着きました。もっと小さい「湖心亭」の島にも行かれた方の旅行記があるのですが、立ち寄っている船は見かけませんでした。

ここは島の中にまた湖があり、その中に小島があるというリトルなんちゃらのような構造の庭園になっています。私は庭園が好きなんですけど、息子は興味なし。ちょっと連れてくるのは間違ったか...

1元札の裏に印刷されている3つの灯篭、ここに月が映えて 「三潭印月」だそう。
「西湖十景」の代表的な風景です。観光客は 「西湖十景」巡りをするんですね。蓮の花とか、雪とか季節要素もあるけれど、それ以外は湖を1周観光すればだいたい見ることができます。
日本人は世界遺産とか権威(ブランド)が好きですが、中国人も大好きですよ。
西湖の南西側にある「花港観魚」 (これも西湖十景)の桟橋へと渡ります。
北宋の時代に蘇軾が西湖を浚渫して築いた「蘇堤」を少し歩いて北側へ、

さっきまでいた小瀛州
蘇堤の反対側は静かな湖(西里湖)です。

公園の池に確かに錦鯉がいる(花港観魚)のを一応確認して、南の丘の上にそびえる雷峰塔へ。
途中で飲み物を買ってベンチで一服していると、大学生くらいの若者が「よく落ちる洗剤」を宣伝に来ました。日本人だからわからないと知っても、結構頑張ってPRしてきます。決して人は悪そうじゃなかったんですけどね...
ネットワークビジネスの類でしょうか?

西湖南岸の丘に聳える雷峰塔、大人40元、学生20元です。ここは良心的なお値段。

元々の雷峰塔はかなり昔に倒壊してしまい、その遺構を展示しています。

そしてその上を覆う形で新しい雷峰塔が建てられました。デザインも景観とマッチしており、よくできていると思います。エレベータで上がります。待てない人は階段で。

上から入り口側を見下ろすとこんな感じ。ちなみに上のお寺も西湖十景、もういいか...

中央の島が小瀛州 (三潭印月)です。

「花港観魚」 側、蘇東坡の築いた蘇堤。

市街地側です。

エレベータで上がった階の上にもう1層あり、これはそこの天井。

降りてきてトイレに行ったら、消臭剤ではなくお香が焚かれていました。
西湖の東岸に回ります。

遠足かな、引率大変ですねえ。(私は同業者なので)

湖にせり出すように架けられた橋の広場では、新婚さんが数組撮影中。
西湖十景「雷峰夕照」 の一つですから。

東屋で一休み、いい景色なんだけどタバコ臭い、

なかなか絶景、西湖十景「雷峰夕照」いいなあ。
だんだん中国の価値観に染まってきたぞ。
このあたりから西湖を離れ、途中の露店を楽しみながら、歩いていきます。

明代風に改装された商店街「河坊街」へ。西湖に近い西側は物価も高いですが、西湖から離れた東に行くほど安くなる傾向です。お土産1箱10元均一(≒220円、安い!)の店も数軒あり、もちろんそこで買って帰りました。杭州、物価が安くて結構良いかもしれない。

「河坊街」中ほどの店で試飲させてもらって龍井茶の茶葉を買いました。安くはないけど、これは妻の指定品なので。
まだ円高で中国の物価が安い頃に大量に龍井茶を買って帰ったこともあります。
夕食は杭州河坊街の東端の店で



椎茸と青菜の炒め物、卵とキュウリのスープ、東坡肉
地下鉄で空港のホテルへ。息子がそろそろお疲れの様子。明日は早いので、休みましょう。
朝食付きだったのでスタートの6時から急いで朝食。ゆっくり食べたいところですが8時10分発なので、オンラインチェックインは済ませたものの、6時半までには荷物預けに並びたい。
カウンターに少し並んで荷物は関空までスルーで預け、セキュリティチェックと出国です。
ただ、杭州空港国際線のセキュリティチェックはかなり厳しく、ベルトのバックルや腕時計でも反応するため全員が金属探知機を当てられていました。そういえば地下鉄も空港駅前後の1駅だけ警備員が乗ってくるようで、いつもこうなのか、何か会議があるのかはわかりませんが、結構徹底していたのは確かです。そういえばターミナル入口の検査は超ザルでしたが、後がどうせ厳しいからサボっていたのかもしれませんね。

次は香港です。