JR西日本の283系「オーシャンアロー」がそろそろ引退ではないかという話を聞いて、混まないうちにお名残乗車、ついでに観光もして来ようと和歌山県有田市の箕島駅まで日帰りで出かけることにした。
新大阪発9時3分のくろしお3号が283系とのことで指定(全車指定席)をとったのだが、
入線してきたのは287系であった。座席指定の時に座席表を見たのだが、気づかなかった...1号車に普通席は無かった気がするんだけどな。直前の変更だったのかも。
1号車の件はわからないが、4号車が12番までなら283系だと思うので狙って乗る方は注意されたい。ただもう老朽化しているだろうから、不具合で代走が出てもおかしくない。グリーン車以外は287系,289系の方が定員が多いので、急に変更してもJR側にはあまり問題が無さそうだ。
梅田貨物線がもうすぐ地下の「うめきたホーム」経由に付け替えられるので、283系じゃないけどまあ乗る価値はあるだろう。
ついでに言えば、箕島まで乗ったのは283系の振り子機能(紀勢本線内のみ)を体験したかったからなのだが、現在は全線で振り子機能は止めているそうな。つくづく情報収集不足である。
冷水浦駅付近で車窓に海が広がり、初島駅手前では製油所の施設が目に飛び込んでくる。帰りに動画を撮ってみたが、やはり下津→初島の方が良い感じだった。次に来る時には撮影してみよう。
初島を過ぎると、箕島駅到着。

乗ってきた287系、くろしお3号

箕島駅は有田市の中心駅で、速達型以外の特急「くろしお」が停車するのだが、駅はいたって質素。昔は結構乗降があったものの、現在の鉄道利用客はあまり多くないようだ。駅員はいるものの、無人駅用のICOCA機器設置のためか、監視だけで改札・集札はほぼしていない模様。
駅前から伸びる通りはこんな感じ。現在の町の中心部ではないようだ。

この道を南へ、有田川の橋のたもとに、「有田市郷土資料館・みかん資料館」がある。

建物に入るが、...誰もいない。「有田市郷土資料館・みかん資料館」は4階らしい。エレベータで上がる。

「みかん資料館」の展示はこんな感じだ。

みかんの選果機

有田みかんの歴史についての展示が主。川船で河口へ、船が大型化すると艀で沖にある地ノ島へ運んで、船で阪神地方や江戸へ運んだらしい。昔のみかんは高級果実で、商人は一山当てて大儲けしたらしい。
「有田市郷土資料館」の方は撮影禁止。市内の土器や仏像など、考古資料と文化財の展示。あと有田川水害の資料など。
さて見学後は市内観光をしようと思うのだが、
この施設の入り口に明らかに観光協会管理のレンタサイクルが置かれている。以前あったシェアサイクルは撤退したそうなので、借りないと歩きとなるため是非とも借りたい。
しかし施設入り口に誰もいないのだ。4階は見学した「有田市郷土資料館・みかん資料館」、3階は会議室、2階はよくわからない。玄関を出て両隣の入り口は保健センターと子育て世代活動支援センター、仕方なく1階の奥にある管理事務所に行き「自転車はこちらで貸していただけるんでしょうか?」と尋ねるとそうだとのこと。特に表示もな〜んにもないので、注意されたい。要身分証で保証金500円。

さわやかなみかん色の自転車。整備状態は良い。
目の前は有田川。

大きな川だけど二級河川なんだね。橋を渡って対岸へ。
少し西、下流の方へ走って昼食に選んだお店。
「テラスカフェ・ライスフィールド」
お目当は「みのしま丼セット」

ご飯の上に長〜いタチウオ唐揚げ(有田市はタチウオ水揚げ日本一だそうです)、タチウオ浜焼き、魚型のミニ「てんぷら」、シラス、これにタレをかけていただきます。
小鉢にもシラス、他に豆腐と枝豆、漬物と味噌汁。ごちそうさまでした。
さて、ここからみかん山の宮崎農道を上っていく。もう歳だし変速なしのミニサイクルなので、当然歩いて推していくことになる。

農道からの眺め。

河口付近はこんな感じ。

初島の製油所。

こちらは文化福祉センター(有田市郷土資料館・みかん資料館とレンタサイクル)、箕島駅方面。
途中ランニングしている人と3人ほどすれ違う。こんな坂道を大変だね。

まだみかんが成っている木もあるのだが、どうやら急斜面すぎて収穫が大変なため放置されているように思える。

かなり山を上がってきた。あともう少し。沖ノ島と地ノ島が見える。※和歌山市の友ヶ島と同じ名前ですが、当然異なる島です

着いた。南側に海が広がる。

ここがT字路になっており、東西に伸びる道は「有田みかん海道」と呼ばれているらしい。確かにみかん山の尾根筋を、南側に海を眺めながら走るのは気持ち良い。眺望を売りにした飲食店も何軒かある。ただ、単なるみかん山の道というだけではなく、ちょうどT字路の場所が水害や津波の避難集合場所になっているようだった。そのための貯水施設があった。
少し西へ下ったところに展望台がある。入口の東屋に自転車を駐めて歩いていく。

海面に陽が射して、反射が美しい。

展望台からの眺め。

鷹か鷲かトンビか知らないが、猛禽類らしき大きな鳥が飛んでいた。

眼下の磯はこんな感じ。

少し空が暗くなってきた。

小雨がぱらついてきたので、東回りで有田みかん海道を下っていく。慣れない自転車なので快調に飛ばせるわけではないが、押して歩いた分楽しめると思っていたら...
本降りになってきた。うう、雨宿りするところもなく、とにかく山を降りようと我慢して下っていると、
なんだか顔が痛い!これはみぞれ?いや、氷の粒が降っているぞ。霰(あられ)じゃないか!
樹木の陰で霰のピークをやり過ごすも、やっぱり濡れるので、しばらく走って公民館の軒先で雨宿り。霰宿りか。
スマホの雨雲マップでは外れているのだが、この辺りは正確でない模様。
しばらく経つと止んできたので、まだ風は強いが走り始める。

この橋を渡り、レンタサイクルを返却して保証金を返してもらう。無料なのは実に有難い限りである。
帰りは和歌山駅で乗り換え、和歌山市駅でまた乗り換えて南海電車で帰った。但し、帰宅途中に職場のトラブルで急遽出勤(のようなもの)になり、その後の帰宅時に電車のダイヤが大幅に乱れて大変だった。
久しぶりにいい運動にはなったのだが、翌日からひどいヒザ痛に悩まされる。もう心肺や筋肉が大丈夫でも、無理をすると関節に来るようになってしまったか。せめて旅行に行く体力だけは残しておかないと!